介護問題

【介護の痛ましい結末・・】踏みとどまる事ができた4つの理由について。

介護の悲劇から逃れる方法

介護関連のニュースを見てると定期的に以下のような痛ましいニュースを目にします。

いわゆる認知症になった親の介護に疲れ果てて・・と言うケース・・

そして「知的障害を持つ兄弟の場合」と言う私と同じ境遇の方の悲劇もあります。

認知症の母と知的障害の兄の介護をした身の私からすると、他人事とは思えません。

私も介護が始まった当初は、ほんの一瞬、このような事が頭をよぎった事があります。

メンタルを病んだりもしました。

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ある程度、落ち着いた今、「どうして自分は最悪の事態に陥らずに済んだのか」を少し振り返りたいと思います。

追い詰めらる理由

介護で追い詰められてしまう理由としては、大きく以下の2点があると思います。

現状の苦しさ

介護しているその時は本当に辛いです。

身体的な辛さもありますが、どちらかと言えば精神的な辛さが大きいと思います。

認知症で言えば、自分の親の頭が「おかしくなってしまった」事実へ向き合わなければならなく、介護している親から感謝されるどころか罵倒される日々は本当に辛かったです。

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将来を悲観

介護で最悪の選択をしてしまう人の記事で、いつも見かけるフレーズが「将来を悲観して・・」です。

どど
どど
この状況って、いつまで続くの?

という事はやはり考えてしまいます。

そして、その状況を手っ取り早く終わらせる方法が「死」です。

これは、メンタルをやられてるとついつい陥ってしまう思考で注意が必要です。

自分も仕事でメンタルになった時は、駅で電車を一番前で待っている時に、別に死にたくはないけど、ここで1歩踏み出せば、この辛い状況が終わるなあ・・と思った事はありました。

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踏みとどまった理由

そんな私はどうして踏みとどまる事ができたのか・・

以下4つの理由が大きかったです。

無理をしない。

やはり、無理をしない事です。

自分もある程度の無理はしたと思いますが、色々と手を抜く事は考えました。

手を抜くというと、物理的な作業の事を思いつくかと思いますが、心の中で無理しない事も重要です。

最初は「認知症の方への接し方」的なものをネットで調べたり、本も買って読んだりしてましたが、途中で止めました。

腹が立ったら、それを母に対してもぶつけるようになりました。

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それは、母にとっては、良くない事かもしれませんが、私にとっては良い事だったのです。

母と私の両方の幸せのバランスで考える事が重要なのです。

「逃げちゃダメだ!」←うるせえ!

自分は、嫌なことから逃げてしまう性格だと思います。

「逃げちゃダメだ!逃げちゃダメだ!」

と言うのは創作物の中ならば、カッコいいかもしれませんが、私の場合、この逃げる性格が功を奏した気もします。

実家に帰らなければいけない状況の時に、どうしても嫌になって「まあ、親も死ぬ事はないだろう」と思い、帰らなかった事もあります・・

これについては、後から「万が一の事があったらどうするんだ!」と色んな方々から怒られましたが、万が一の事はなかったので、良かったと思います・・

また、冒頭で紹介した記事のような介護での無理心中は、頭を1瞬よぎった事があるくらいですが、介護放棄くらいまでは、1瞬ならず、検索して法的に可能かどうかくらいまでは、調べました。

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我ながら、なんたる親不孝ものだと思います。

しかし、ある意味、死ぬ以外の逃げ道を想定した事で、ぎりぎりやってこれた感はあります。

将来は考えない。

この先どうなるかなんて誰もわかりません。

元々、将来設計とかしていないタイプです。(してたら会社辞めてない)

明日、認知症の母がいきなり死ぬかもしれないし、介護している私がいきなり死ぬかもしれません・・

現に、兄は、ようやく入れた施設に入って4年で、突然死しました・・

兄の死
兄が突然死しました。先日、兄が突然死しました。 入居している施設で、朝、起こしに行ったら、息が弱くなっており、そのまま呼吸が止まってしまったとの事です...

人生設計しても、設計通りに行かない方が多いのではないでしょうか?

平均寿命とか言っても平均寿命以外の年齢で死ぬ方の方が多いのです。(少し難しいことを言えば、寿命も平均寿命を中心に正規分布しているわけではないので、平均寿命付近の年齢で死ぬ確率が高いとも限りません。)

なので将来の事なんて真面目に考えない方がいいのです。

とりあえず今ある作業を淡々とこなして行くことが大切だと思います。

「ひとつひとつかたずけてゆくんだね具体的にね」

by 相田みつを

このブログでも「亡くなった時のために」「認知症になった時のために」的な記事を書いてて矛盾しているのでは?と思った方もいるかもしれませんが、備えをしなくて良いという意味ではありません。
将来どうなるかを考えすぎて、メンタルをやられるのは無駄という事です。

運が良かった。

元もこうもないですが、私は運は良かったと思います。

兄の施設も母の施設も発覚数年以内に見つける事ができました。

職場でも(会社全体としてはともかく)、直接、仕事をしていた仲間はかなり配慮をしてくれました。

親戚の方も助けてくれましたし、思ったよりも役所の方々も親身に動いてくれました。

「俺は、運が悪い・・参考にならない」

と思う方もいるかもしれません・・

ただ、私もW介護の状態になった事事態は運がないと言えるので、運が良いと思う気持ちが大切なのではとも思います。

まとめ

以上、介護するなかで、自分が何故、最悪の悲劇に辿り着かないで済んだかを振り返ってみました。

もちろん、介護の状況は人それぞれなので、万人の参考になるとは思えません。

ただ、1例として、W介護に陥った場合でもなんとか生きている事ができたという事例があるということだけでも知っていただければ幸いです。