介護問題

認知症の母を連れての移動。やはり自家用車は必須だった。

介護の移動手段

かれこれ5年前、母の認知症が発覚して介護が始まった時に、苦労した事の一つは、移動でした。

自分自身の移動ならば、まだ良いのですが、問題は認知症の母を連れての移動です。

当初は週1くらいでレンタカーを予約してましたが、かなり面倒くさかったです。

何度、車を買おうかと思いましたが、そのうち母もグループホームに入る事になり、結局買わず仕舞いでした。

しかし、今思えば、車を持っていればあの時に感じたストレスを多少なり減らす事ができたのでは・・と考える事があります。

本記事では、介護をするという側面から、自家用車、タクシー、レンタカー/カーシェアリング、電車/バスの移動手段の比較をしてみました。

移動手段の比較

機動性 〜すぐに移動できるか?〜

移動したいと思った時に移動したい。

介護をしていると、「急に体調が悪くなったので病院に連れて行かなければならない」といった事態に直面する事があります。これにつて各移動手段はどうでしょうか。

自家用車 ◎

言うまでもなく、すぐにでも対応できます。

タクシー ○

自家用車ほどではないにせよ、タクシーも混んでなければ10数分で来るので、緊急時の対応にも耐えられるでしょう。

レンタカー/カーシェアリング ×

当日予約もできなくはないですが、通常は、前日までに予約が必要となります。また予約でいっぱいの場合は別のレンタカー屋を探すなどしなくてないけませんので、緊急時の対応は難しいでしょう。

電車/バス ×

まず、1時間に1本とかの地方は論外です。

都市部ならば、数分おきに電車が来るので、自分1人ならば、すぐにでも移動できますが、被介護者を連れてとなると、駅・停留所まで、被介護者を連れていかなければならないので、難しいです。

1番の問題は、最寄りの駅(停留所)まで行けても現地まで行けない事です。

母がシルバーかーを使って歩けるのは、せいぜい100メートル程度なので、結局、徒歩数分の所までタクシーが必要だったりします。

快適性 〜楽に移動できるか?〜

可能な限り、被介護者が楽に移動できるようにしたい。これについて各移動手段はどうでしょうか。

自家用車 ◎

言うまでもなく自家用車がベストでしょう。被介護者も乗り慣れた車なので、安心感があります。

タクシー ○

車自体、タクシーは高級車なので、乗り心地は良いです。

ただし、当たり前ですが他人(運転手)がいるので、気は使いますね・・・

レンタカー/カーシェアリング ○

被介護者にとって見慣れていないと言う点を除けば、問題ないでしょう。

ただし介護する側は貸出所(シェアカーが置いてある駐車場)まで行く事が必要なので面倒くさいです。

電車/バス ×

まあ、論外ですね・・席が空いてるかもわからないし、駅内の移動もエレベータなどなければ最悪です。

柔軟性 〜目的・時間を変更できるか?〜

「病院の帰りに買い物に寄りたい」「手続きの時間が伸びたので帰るのが遅くなる」などの事態は多々発生します。これらに対応できる移動手段は何でしょうか。

自家用車 ◎

言うまでもなく問題ないです。

タクシー △

伝えれば、お店に寄る事ぐらいはしてくれるでしょう。ただし病院との往復などの場合、帰りの時間もわからないので、帰りは別途呼ぶ必要があり、面倒くさいです。

レンタカー/カーシェアリング △

貸出期間内ならば、どこに寄るのも自由ですが、返却時間をすぎる場合は、延長する必要があります。そして延長を常にできるとは限りません。

病院で時間がかかって返却時間が近づきイライラした経験が何度かあります。

電車/バス ×

時間が伸びたら違う電車/バスに乗ればいいだけですが、急に駅から遠い所に行くには別の交通手段が必要になります。

運搬 〜荷物を持ち運べるか?〜

介護では、車椅子やシルバーカーなど重いものを運ばなければいけない事があります。荷物の運搬に適している移動手段は何でしょうか。

自家用車 ◎

言うまでもなく問題ないです。

タクシー ◎

タクシーも問題ないです。

レンタカー/カーシェアリング ○

貸りている間は自家用車と変わらないですが、問題は自宅から貸出所(シェアカーが置いてある駐車場)までの移動です。車を返す前に自宅に寄って置いてくるなどの手間が必要になる可能性があります。

電車/バス ×

できない事はないですが、大きい荷物を運ぶのには適していません。

費用 〜安い金額で移動できるか?〜

自家用車 ×

言わずもがな・・車の所有は購入代、税金、ガス代、駐車場代などお金がかかります。

介護期間にもよりますが、1〜2年程度ならば、週1のレンタカーの方が安く済む可能性があります。

タクシー ×

タクシーはやはり贅沢ですね・・ピンポイントで使っても、すぐに1日のレンタカー代くらいにはなってしまいます。

レンタカー/カーシェアリング △

電車/バスに比べれば高いですが、自家用車、タクシーに比べれば、まだマシだと思います。

電車/バス ◎

金額面で言えば、電車/バスは最も優れているでしょう。(逆に言うと、優れてるのはこれだけです・・)

(番外編)粗相があったら・・・

以前、トイレ問題について記事を書きましたが、移動で最も恐怖なのは、被介護者が便意・尿意を催した場合です。

こういった場合はそれぞれの移動手段はどうでしょう・・

自家用車 ○

柔軟性とも関連しますが、トイレも探しやすいので未然に防げる可能性もあります。

そして、車内でされたとしても(掃除などの手間はあるし匂いを取るのも大変ですが・・)、少なくとも他人には迷惑がかかりません。

タクシー ×

完全にヤバいです。催す空気を察した時点で「ここで下ろしてください」という必要があるでしょう・・

レンタカー/カーシェアリング △

トイレを探せれば良いですが、もしされてしまったらヤバいです。

ちなみにそのような理由で車内が汚れた場合の賠償は、保険には含まれていません・・

私の場合、オムツをさせるのはもちろん3重くらいにレジャーシートなどを敷いて万全の体制を整えてました・・

電車/バス ×

トイレへのアクセスは良いので、駅を降りてトイレに間に合えば良いのですが・・

もし粗相が発生したら最悪ですね・・考えたくもないです・・・

まとめ

以上、介護での、自家用車、タクシー、レンタカー/カーシェアリング、電車/バスの移動手段を比較してみました。

比較結果を見ても明らかなように、金銭面以外では、自家用車が圧倒的に便利です。

私も、もう少し母や兄が施設に入るまで時間がかかったとしたら、中古の軽自動車を購入していたと思います。

今、振り返っても車がないばかりに要らん苦労をしていた気がします。

介護はストレスの連続ですが、その中でも被介護者を連れての移動のストレスは大きいです。

少しでもそのストレスを減らすための出費と考えれば、車購入のコストパフォーマンスは良いと考えるべきでしょう。