認知症の母がグループホームに入る事ができて、これでひと段落ついたかな・・と思ってました。
しかし、グループホーム入所後に、母の体のあちこちの「ひずみ」が一気に吹き出しました。
ひずみのうちの一つが白内障です。
この記事では、母が白内障を患って苦労した事、顛末について書いていきます。
もくじ
認知症だと正確な症状がわからない。
当初、母からの訴えは「目の前に靄がかかっていて何も見えない・・」というものでした。
それもう、「失明寸前か!?」くらいの訴えでした。
グループホームでは、内科と歯科の訪問診療はやってますが、それ以外の症状の場合は、家族が医者に連れていく必要があります。(※グループホームによって違うかもしれません。)
なので、グループホームに入っても全く落ち着かず・・会社を休んで眼科を予約して連れて行きました。
眼科では白内障と診断されました。
白内障は、80歳を超えた人は、ほぼ発症していると言われてます。
白内障の有病率は年齢とともに増加します。 厚生科学研究班の報告では、白内障の初期の混濁を含めた有病率は、50歳代で37~54%、60歳代で66~83%、70歳代84~97%、80歳以上で100%とされています。
なので、驚きはなく「やっぱりそうか・・」と思いましたが、母の訴えからすれば、相当悪化しているように思えました。
なので、これはもう手術しかないと思いました。
しかし、医者に言われたのは・・
との事でした。
確かにそんな悪ければ、ご飯も食べられないし、自分の顔も認識できないのでは・・と思いました。
視力診断結果も、日によってかなり違いがありました。
実際の視力よりも、その時の頭の調子(?)に依存して結果が出ている気がします。
頭の調子が悪い時は、本当に見えないのか、左と右を間違って言っているのか、よくわかりません。
言葉がアテにならないので、指で方向を指すように指示されますが、不思議な事に「指差し」は口よりもトンチンカンな方向だったりします。
ただ、頭の調子がいい時は、0.3くらいの視力があるので、まあ、確かに全く見えないわけではないよなあ・・と思いました。
認知症だと部分麻酔の手術ができない。
手術は一旦、諦めて、白内障の点眼液をもらいながら通院していたのですが、やはり本人から事あるごとに「見えない」事を訴えられます。
訴えもさることながら、視力がよくなる事によって認知症が改善する場合もあるらしく、改めて、思い切って手術した方が良いと思いました。
現在は、白内障の手術は、成功率も高く、部分麻酔で日帰り手術をすることもできます。
現に私の叔母(母の姉)も白内障の日帰り手術済み、手術したら、本当に良く見えるようになったと言ってました。
ですが・・
医者には、
と言われました。
認知症になると、部分麻酔とか、日帰り手術とか、そんな簡単な事ではなくなるようです。
- 手術中、自分がどのような状況かわからなくなって暴れるかもしれない・・
- 術後に、目をこすってはいけないけど、こすってしまうかもしれない・・
なので、入院・全身麻酔して、親族の付き添いが必要になるとの事です。
私の母は、おそらく手術中に暴れる事はないかと思いますが、医者からすれば、そんなリスクある手術をやりたくないですよね・・
なんとか部分麻酔をしてくれる医者はないかと思って、大病院を紹介してもらって、行ったりもしましたが、言われた事は同じでした。
- すぐに手術するほど悪くはない。
- 手術するとすれば、入院して全身麻酔。家族の付き添いが必要。
- 高齢なので全身麻酔のリスクが高い。
やはり、躊躇した最大の理由は、「全身麻酔」ですね・・
高齢になるほど、全身麻酔のリスクは高く、無事に済んだとしても、認知症が悪化する可能性があります。
命に関わる病気でもないのに、そのようなリスクを犯す決断はできなかったです。
何よりも、最終的には、本人が手術はしたくないと言ったので、断念しました。
最後に
結局、最初行った眼科で点眼液をもらって通院しており、現状は落ち着いています。
不思議な事に、以前のように見えない事を強く主張することは少なくなりました。
もちろん、目自体はよくはなっておりませんが、慣れというものもあるのでしょうか・・
もしくは、最初の訴えはグループホームに入ったばかりの時だったので、その不安感が目の不安の助長させていたのかもしれません。
ただ、白内障自体が手術もせずによくなる事はありません。
もしこれから悪化して本当に何も見えないような事になった場合、やはり手術(=全身麻酔)の決断をしなくてはならないと思います。