母の認知症が発覚してから1年以上は、「小規模多機能型住宅介護」のサービスを利用し、日曜日以外は、昼間通所しておりました。
しかし、症状が徐々に悪化してきて、夜だけといえども1人で家に置いておく事に不安を感じるようになりました。
そして、ついにグループホームへの入所を決断しました。
本記事では、母のグループホームへの入所の経緯について記載します。
もくじ
グループホームとは?
実際に親の問題に直面するまで、「グループホーム」と「老人ホーム」の違いがわかっておりませんでした。
認知症のグループホームは、認知症対応型共同生活介護といって老人ホームの施設に比べると認知症に特化した形になっており、他の方と共同生活をする中で介護するような感じです。
部屋も個室で、家具もこちらで用意するので、施設というよりもアパートに介護が付随しているような雰囲気になります。
ただし、医療体制などは老人ホームと比べると弱い傾向にあります。(看護師の常駐は必須ではない。)また寝たきりになった場合は、退去して寝たきり状態でも対応できるような施設に入り直す必要があります。
入所の経緯
きっかけ
ある日、母が通所している小規模多機能支援の施設の所長から連絡がありました。
幸い、その施設はグループホームも併設しております。
抵抗感はありましたが、申し込んでもすぐに入れるとは限らないので、申し込むだけ申し込んでおきました。(それを躊躇して、いざという時に困るのは兄の件で痛いほどわかっていたので・・)
決断
そして、その時は意外に早くやってきました。
その年の夏は猛暑で、家の中でも熱中症で高齢者が亡くなる事故が起きるほどでした。
実家もクーラーを付けっ放しにしておりますが(リモコンは母の手の届かない所においてあります。暖房に切り替わってた事があったので・・)、ブレーカーでも落ちれば、母は自分であげる事もままならず、もうアウトです。
また、実家のゴミ屋敷化が加速していました。
元々片付けられない性分に加えてゴミもまともに捨てられないため、ハエ・ゴキブリ・ネズミが発生しているのに加えて、歩くこともままならないほど物が溢れているので、いつ、つまづいて怪我してもおかしくない状況でした。
そして、そんな絶望的な状況で、入れない人がたくさんいる中で幸運というべきでしょうか・・
申し込んでいたグループホームで空きが出ました。
これを逃したら、いつまた入れるかわかりません・・・しかも他に入るくらいならば、通所している施設と併設しているため抵抗感は少ないはずです。
決断するしかありませんでした。
契約
やはり費用はそれなりです。
私の母が契約したグループホームの場合は、初期費用で約50万円、毎月18万円弱かかります。
通所の場合、7万円前後だったので、プラス10万円ほどでしょうか・・・
年金だけだと赤字なので母の貯金(定期預金解約できないので普通預金だけ・・)を切り崩す形でやって行くしかないかと思います。
いよいよ母の普通預金が尽きたら、銀行と喧嘩するか、最悪の最悪の最悪は成年後見制度かな・・と思います。(今のうち成年後見制度とかしてしまったら、使いたいはずの定期預金のお金が後見人へ払うお金で消えて行くので、意味がないです・・)
・・・と書いたのですが、とあるきっかけで定期預金を解約する事ができました。(以下の記事参照)
説得(?)
読んでて気づいた方もおられるかもしれませんが、ここまで母自身がどう思っていたかについては全く書いてません。
どのように親を説得したかって?
説得してません・・・強制で、しかもだまし討ちのような感じでした・・・
通所の一環として、体調が悪い場合など、宿泊することがありました。
宿泊してる状態のまま、あるとき施設の所長から、しばらく施設で過ごした方が良い事を伝えてもらいました。(私の同意も得ていると・・)
会いに行った時に母にも睨みつけられました。
その時は今は猛暑で死人も出ているくらいで大変だから、涼しくなって体調が良くなったら戻れると伝えました。
ただ1人の人間として生きていて、ある時、自分の家に帰れないと告げられるというのはどういう気持ちだろうかと考えると胸が痛みました。
入った当初はショックのせいか、認知症の症状が進んだ気がしました。
覇気がなくなり、何かを言っても通じないような状態な気がして、本当にこれで良かったのかどうか自問しました。
部屋の準備
なるべく家のもの(家具、衣類)を持ってきました。
自分の家と錯覚するぐらいにならないかと思ったけど、流石にそんな上手くは行かなかったです。
また母は毎日叔母に電話をしていたため、その習慣だけはなんとか続けて欲しいと思ってました。
ただすでに携帯電話などは、どんなに「簡単ケータイ」的なものでも使うことはできませんん。
昔ながらの固定電話でないと使うことができないのです。
かと言って流石に固定電話の線を引くこともできないので、どうしたものかと思っていたら、携帯電話の回線で使える固定電話機がありました。
これがなければ、叔母に電話で愚痴をこぼす事もできなく、もっとストレスが溜まっていたと思うので、本当に助かりました。
そして現在の様子(入所後1年)
入った当初は、面会のたびに「家に帰りたい」と言われて、かなり心が痛みましたが、入所半年後くらいから落ち着いてきました。
ただ食事については、味気ない・少ないと文句を言ってます。
グループホーム入所当初は、これで週1の介護から解放されるといった期待も密かにありましたが、結局週1は面会に行って4、5時間滞在して帰ります。
まあ、個室なので、私専用の椅子とかも用意してあり、テレビもあるので、私も普通に過ごす事ができます。
なお、医者については、定期的な検診は訪問診療でグループホームに来てもらってますが、眼科(白内障を患っております)や、その他、内科の手に負えない症状が出た場合は、私が病院に連れて行っております。
まあ、通院時は外出させられるので、その時は外食など気分転換もさせられるため、いい機会かなと思ってます。
「結局、グループホームに入居した(させた)事は良かったか?」と問われれば、良かったと思います。
このまま自宅にいれば、熱中症やその他事故などでいつのまにか死んでいる状況もありえたかと思います。
ただグループホームを終の住処にできるとは限りません。
仮に寝たきりになった場合は、今のグループホームでは対応できなくなるため、そのような状態に対応できる施設を探す必要があります。
まあ、その時はその時でまた考えるしかないですね・・