以前、介護で、下手に兄弟に口を挟まれるよりも1人の方が自分に決定権があり、争いもないので、気が楽だったという記事を書きました。
「手伝ってくれる兄弟とかいれば良かったのにね・・」
と良く言われましたが、そうとは限らないのです。(以下記事参照)
それと似たような事で以下のような事を言われた事があります。
「結婚していれば、だいぶ(大変さが)違ったのにね・・」
これは、奥さんがいれば、奥さんが介護に協力してくれたのに・・と言ってるのだと思いますが、果たしてそうなのでしょうか?
もくじ
奥さんは親の介護に協力してくれるか?
3年前くらいのものですが興味深い記事を見つけました。
増加する「息子介護」~妻が何とかしてくれると思っていたら…(現代ビジネス)
この記事では「男性」が親を介護するケースが増えていが、男性の「老親介護者」の50%は、配偶者がいると書かれています。
結婚していれば、何かしら奥さんが自分の親の介護に協力してくれると思ってしまいそうですが、現実はそんなに甘くないようです。
上記の記事には後編があり、そちらの記事には以下のようなやりとりの実例が書かれています。
彼が自分の目論見違いに気づいたのは、母親が認知症になり、日常生活の世話が必要になってからだ。
妻は「私には仕事があります」「自分の親もいます」「あなたの親を看るのは、あなたの仕事です」と、母親の介護には関わらないことを宣言したのだった。
「あなたの親なんだから」に返す言葉のなかった彼だが、それでも、「一つ屋根の下にいるんだから、それはないんじゃないか」「家族なのに、あまりにドライすぎるんじゃないのか」と、妻の態度に納得いかない様子だった。
私の知り合いの例
私の知り合いでも、2例ほど似たようなケースがあります。
1つは、自分の親が認知症になった男性から聞いたものです。
同居している認知症の親がトイレ以外でも粗相をしてしまうことがあるそうですが、掃除するのは友人の役割で、その他、諸々の介護も友人自身がやっています。
それでも同居していれば、当然、粗相は奥さんの目につくわけで、奥さんもかなりイライラを感じているようです。
親を介護するのも大変ですが、それと同じくらい奥さんのイライラと向き合う事も大変だと言ってました。
その友人は、自分1人ならば、自宅介護する事も出来るかもしれないけど、家族の事を考えると自宅介護を続ける事が難しいとの事で、親を老人ホームに入れる決断をしました。
もう1例は、夫の親(同居している)が認知症になった女性から聞いたものです。(1例目の男性とは無関係です。)
その女性の場合は、介護を手伝ったりはしているようですが、やはり相当なストレスがかかっているようで、かなり愚痴を言ってました。
離婚まで考えた事があるそうです。
そして、最終的には、
「なんで自分の親でもないのに私が・・・」
と本音を漏らしていました。
まとめ
最初の「結婚して奥さんがいれば介護は楽だったのでしょうか?」に対する答えは、
「必ずしもそうとは限りません」
です。
奥さんが介護に協力してくれるとは限らないし、協力有無に関わらず介護が原因で夫婦仲が悪くなる事もあります。
なお、リンク先の記事の例や、私の友人の例を聞いて、もし「奥さんが冷たい」と思うならば、それは違うと思います。
自分自身、親の介護をして思いましたが、他人の親だったら無理です。
自分の血が繋がった親ですら、介護放棄したくなる場合があるのに、義理の親だったらなかなか難しいと思います。
もちろん、奥さんが手助けをしてくれる場合もあると思いますが、表面上、出さなくてもそれなりのストレスを抱えてると思った方が良いでしょう。
基本、自分の親は自分で面倒を見るのが原則です。
配偶者に過度の期待を持つのはやめた方が良いでしょう。
※本記事では、「夫」の親が要介護になったケースを考えた書き方をしましたが、逆の場合も然りです。