介護問題

介護施設に入居したら住民票は移すべき?移すと困る意外な理由について

住民票の移動

親がグループホーム、または老人ホーム(以下、施設)に入居した場合、住民票も移すべきなのでしょうか?

私は、施設からは、移しても移さなくてもどちらでも良いと言われました。

どちらを選択しても、大した差はないのでしょうか?

移すこと、逆に移さない事によって、後々、困る事はないのでしょうか?

私の親の場合、結論として移さなくて良かったです。

本記事では、その理由について、説明します。

住民票を移すと何が起こる?

住民票を移した時、何が起こるのか。

ネットで調べると出てくるのは、以下の2つのことについです。

親あての郵便物が施設に直接届く。

後期高齢者保険証、介護保険証などは施設に預ける必要があるので、更新された場合、それを施設に持っていく必要があります。

住民票を移せば、その手間を省くことができます。

一方、金融機関関連の書類など、施設に不要な書類まで施設に送付されてしまう可能性があります。

施設に送られてしまった場合、それをわざわざ、取りに行く手間がかかります。(プライバシーに関連することが施設に知られてしまう可能性もあります。)

介護サービス、介護保険料が変わる。

親が住んでいた住所と施設の住所を管轄する自治体が異なる場合、介護サービス料や介護保険料などが違ってきます。

よって、住民票を移した場合に、損をする、もしくは得をする可能性があります。

移さなくて良かった。その理由とは?

この2点だけに着目すると移すか移さないか悩ましいところかもしれません。

しかし、後々、私が住民票を移さなくて良かったと思った理由は別のところにありました。

それは、役所や銀行との手続きをする場合です。

介護者である私と、被介護者である親が同じ住所(同じ世帯)である事で手続きが可能だった事が多くありました。

役所への申請手続き

現状、役所関連の各種申請は、全て私が代理でやっています。

そういった申請の中には「代理人が申請する場合は、委任状が必要。ただし住所(もしくは世帯)が同じ場合は不要」というものがあります。

例えば、親の住民票を取得しなければいけないケースです。

窓口に来た人と本人の住所が同じならば、身分証明を見せるだけで済みます。(最近はマイナンバーカードでコンビニで取得することも可能です。)

しかし住所が異なる場合、本人の委任状が必要になります。

親が認知症で委任状など書ける状態ではないので、この状況は非常に困ります。

事情を説明すれば、なんとかなるのかもしれませんが、ひょっとしたら施設の方に依頼しなければいけなくなるのかもしれず、面倒くさいです。

金融機関の手続き

金融機関は、本人以外が手続きをすることについて、本当に厳しいです。

基本的に、委任状が必要です。

金融機関の場合は、たとえ、住所が一緒だとしても委任状が必要とされる事が多いです。

ただし、住所が一緒であるという事によって、多少、融通を利かせてもらえた事が何度かありました。

定期預金の解約も、委任状を書ける状態ではない事を説明した上で、私と母の住所が同じということで、なんとか手続きすることができました。

定期預金の解約
認知症の親の定期預金解約が出来た件。訪問してもらえば可能かも。親が認知症になってしまって定期預金を解約できない・・ そんな記事を以前、書きました。 https://dodomemo.co...

「委任状が書けない状態」という事について、認知症かどうか突っ込まれたらどうしようかと思いましたが(認知症だと発覚すると口座を凍結されるという「うわさ」もあるので)、そこまで突っ込まれませんでしした。ひょっとしたら、あえて聞かないようにしてくれているのかもしれません・・

まとめ

以上のことから、私の親の場合、施設に住民票を移さなくて正解でした。

なお「住民票を移すことによって、サービス料などが安くなる場合がある」については、私の親の場合、自治体が一緒なのでサービス料などは変わりません。

郵便物を施設に持っていく、もしくは転送することについては、さほどストレスを感じません。

上記の委任状問題に比べれば、些細(ささい)な事です。

まとめると、住民票を移さない方が良い場合の判断基準は以下の3点です。

  • 住民票を移してもサービス料などにメリットがない。
  • 郵便物を施設に転送することが苦でない。
  • 現状、介護者(自分)と被介護者(親)の住民票住所が同じ。

このような場合、親が施設に入所した場合でも、住民票は移さないことをお勧めします。