以前、以下の記事で親が認知症になって定期預金が下ろせない件について記載しました。
これまで、働いている時は親に仕送りとかもしており、その他にも自分が実家に戻って食材や雑貨の買い物を頼まれた時などは、面等くさいので自分のお金で払ったりしてました。
親に「奢っている意識」はなく、単に「親のお金」と「自分のお金」を分ける感覚があまりなかったからです。
しかし親が認知症になって、世の中はそれでは通用しない事を実感しました。
この記事では私自身の体験での後悔と、今時点で心がけているお金の事について記載します。
もくじ
後悔・・使ったお金は取り戻せない?
母が認知症になって1年半くらいは、母と知的障害の兄のための施設費・医療費・雑費・交通費などは自腹でした。
当初は母・兄の預金通帳やキャッシュカードが行方不明だったのが理由ですが、それらが見つかってからも「いちいち母や兄の預金を下ろして使うよりも自分の電子マネーやクレジットカード使った方が早いし楽」という理由で自分のお金を使ってました。
ただ、そんな事をやっているうちに100万円単位で自分の貯金が減っていってるのに気がつきました。
そして何よりも無職になった事もあるので、今後は母・兄のために使うお金は本人の預金を使う事にするとともに、これまで持ち出していた自分の分も返してもらおうと思いました。
ただ一度使ったお金を返してもらうためには、大きな問題がありました。
税務署につっこまれるかも・・贈与税の問題
数100万円使ったので、親の口座からその数100万円を自分の口座に振り込めばいいのですが、これは「贈与」となり、年間110万円以上だと贈与税が発生します。
税務署が個人の”はした金”をそこまでチェックするかどうかはわかりませんが、万が一、チェックされたら、それなりの理由がないとアウトです。
最悪、脱税になります。
銀行につっこまれるかも・・本人以外・限度額の問題
今は母と兄の普通預金はカードで下ろせますが、ATMだと上限があり、何度も限度額を下ろしていると怪しまれてストップされる可能性があります。
かといって窓口に行っても本人ではないので、説明を求められてうっかり認知症だと口走ってしまったら、これまた面倒臭い事(最悪、普通預金も凍結)になる可能性があります。
ツッコミに対する対応ができない。
上であげた「税務署」「銀行」からのツッコミに対して、自信を持って対応できる証拠がありません。
元々、家計簿なんてつけてないし、数100万円単位で預金が減っていったのはわかりましたが、明確にいくら使ったかなんて記録してませんし、領収書も管理してませんでした。
なので「これは親のために使ったお金です。」と言っても、一円単位でいくらとは回答できないし、それを裏付ける証拠(領収書など)も残ってません。
私の友人は親が亡くなって相続の手続きをした時に、税理士に過去5年間の通帳取引を提示するように言われて、大きい金額の引き出しについては、説明を求められたようです。やはり説明できるようにしておかないと厳しいと思われます。
今後の対策:家族のために使った金額を記録する。
以上から、これまでの自腹切ったお金はもうある意味あきらめてますが、問題はこれからです。
現在は母・兄のために使ったお金は随時、記録しています。(Excelで管理してます。)
施設に支払うお金や医療費はもちろんですが、面会時に親にお菓子とか買っていた時のレシート、レンタカーを借りた時の領収書、ガソリン代のレシートも保管してます。
そして月1で、その金額を母・兄の口座から引き落としてます。
なんで、そこまでしなきゃならないんだ・・と思う気持ちもあります。
ただ母のグループホームの料金など含めると年間110万円は軽く超過するので、税務署につっこまれれた時に説明できるようにしなければいけません。
母のグループホームが自動引落未対応で毎月振込が必要、かつ母の某信用金庫の口座のキャッシュカードは引落はできるのですが「70才以上、かつしばらく振込してなかったので振込可能にするには本人の承諾が必要」という状態のため、自分の口座から振り込んで、その分を親の口座から引き落とすという面倒臭い事をやってます・・(手数料が勿体無い・・)
また、他の理由としては、今後、・・本当は使いたくないですが・・どうしても「成年後見制度」を使わなくてはいけなくなった時に、少しでも自分が成年後見人になれる確率をあげるためです。
それまでの財産管理が曖昧すぎると、お金の管理が出来ていない事になって、自分が後見人になれる確率が下がります。
因みにそれこそ後見人になったら完全に親のお金の管理は記録しないとダメになります。後見人になった後、自分のために使ったら家族といえども横領罪になります。(逮捕例も多々あります・・)
そして記録する最大の理由は、曖昧にしていると、自分のために親兄弟の金を使う危険性があるからです。
これは厳密には窃盗罪です。
(厳密には親族内の窃盗は報告罪なので、親族に訴えられなければ、起訴される事はありませんが・・・)
母もグループホームに入ったとはいえ、将来的に症状が悪化して老人ホームに移る可能性もあり、そうなった時に莫大な初期費用がかかる可能性があります。
また兄にいたっては、私と同じくらいか、ひょっとしたら私よりも長く生きる可能性もあるので、今後どれだけお金が必要かわかりません。
記録する事で、「母・兄のお金は自分のお金ではない」という事を自分に言い聞かせるようにしています。
まとめ
以上、親が認知症になった後のお金の管理について自分が心がけている事について書きました。
大事なのは、全てを記録しておくことです。
私の場合は、知的障害の兄は別として、お金についての利害関係が対立するような兄弟がいないので、まだましですが、そのような兄弟がいる場合はさらにきちんとする必要があるでしょう。
兄弟がいて、争うくらいならば、成年後見制度を使った方が良いかもしれません・・