年老いた親がなんかボケた事言っても、まあ、年だから仕方がないかと思いますよね。
私もそう思ってました。
そしてある日、母が認知症であることが発覚しました。
親の方がいつか先に死ぬのはわかってましたが、まさか自分の親が認知症になるとは、夢にも思ってませんでした・・・
私にとっては本当に突然の出来事でしたが、実は予兆はありました。
ただ単にそれに気がつかなかった(もしくは無視してた)だけなのです。
この記事では親が認知症であることに私が気づかなかった理由について思い返してみたいと思います。
もくじ
[理由1] 親とはたまにしか会わない。
認知症に気がつく事ができなかった理由の1つは、母とはたまに電話で話し、年1で実家に帰る程度だったので、気づく機会自体がなかったことでした。
認知症という病気は、ぼーっと惚けていて1見すればすぐ認知症だとわかる状態だと思ってました。
でも認知症の前段階と言われる軽度認知障害(MCI)の状態では、たまに電話で話たり会ったりする程度ではよっぽどの事がない限り気がつきません。
私の母の場合、認知症が発覚してかなり進行した現在でも、普通に話していれば、全く認知症だと感じさせない事もあります。でも、ふいに自分や家族の生年月日、年齢、住所、電話番号などを尋ねると答えられず、やはり認知症だということを再認識する事があります。
もっと親と長く話す機会を設けていればよかった・・・
もっと頻繁に実家に帰っていればよかった・・・
と思っても後の祭りでした・・
[理由2] 予兆があっても気付かない。
実は発覚の半年前くらいからは、予兆に気がつく機会はありました。
今思えば、あれが予兆だったと思う事はたくさんあります。
誰でも「今日って何日だっけ?」「今日って何曜日だっけ?」となる経験はあると思いますが、流石に元旦などの重要なイベントの日は忘れないと思います。
認知症が発覚した年、年末ということもあり実家に帰りました。元旦には毎年何かしらのおせち料理が出てくるのに、その年の正月には普通の食事が出てきました。
そうです。流石にボケすぎだったのですが、その時は笑い話で済ませてしまったのです。
認知症が発覚したのは、その年の6月でした。
他にも以下のような事もありましたが、全ての事を軽視しており、認知症の予兆だとは思ってませんでした。
- 間違えた事を自分のせいでなく相手のせいだと思う。
- 忘れた事は「なかった事」になり、忘れたと認めない。
- 家の散らかり方が尋常ではない。(ほぼゴミ屋敷)
- 服薬管理ができてない。(できてない事を認めない)
- 年金、税金などの役所の処理が滞っている。
こうして並べると結構な予兆です・・
最大のポイントは、「忘れた事、間違えた事を自分のせいだと思わない」事ですね。
生協で食べ物を頼んでましたが(マークシートでチェックする)、最近頼んだものと違うものが来ると怒ってました。
最大の理由は「うちの親に限って」
予兆を見逃していた(気がつかなかった)根底の理由には、「まさか自分の親が認知症になるとは思わなかった」という事があります。
親が認知症になった後、周囲の人に状況を話すと「うちも人ごとじゃないなー」みたいな事をおっしゃる方もいますが、正直、人ごとと思っているのがわかります。
はっきりと「まあ、うちの親は頭はしっかりしてるから大丈夫だと思う」と言う人もいます。
母は重度の知的障害の兄の世話をしていたので大変忙しく、「忙しい人は認知症にだけはならない」と何故か思ってました。
ど偏見で「老後、暇を持て余している人がなるんだろうな」と・・
「忙しいか暇か」とか「しっかりしている人だから」だとか関係ありません。
2025年には65歳以上の方の5人に1人が認知症になると推定されてます。(参照:「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」)
親の認知症が突然発覚すると医療・手続き・お金に関する全ての事について後手に回ってしまって本当に大変です。(実際、私は大変な事になりました。「お金」については現在も大変です・・)
認知症の前段階、もしくは初期でわかれば、「生活改善などで認知症への進行を抑えられる」「家族信託・定期解約などの対策ができる」等、対処できる事も多いです。
もし、親にしばらく会ってない、親としばらく話していない場合は、一度、よく会って話してみる事をお勧めします。