本サイトでは何度も書いていますが、この2年半のご時世で、明らかに母の認知症は進行していきました。
以前は、母に少しでも家で過ごすのと同じような気持ちでいてもらおうと思って、土日は入居している部屋にずっと居座っていました。
それが、この2年半は、感染者数が多ければ完全に面会禁止、おさまっても週1回、ロビーでアクリル板を挟んで10分間のみの面会です。
会うたびに、母の認知機能が衰えていってるのがわかりました。
最近は、会話が通じているのか通じてないのかよくわからない状態が続いており、自分に対しても、どこかよそよそしい感じがしていました。
ずっと、この事が心に引っかかっていました。
もくじ
「わかんない」と母は言った。
面会ではないのですが、先日、母の体調が悪くなり、私が病院に連れて行かなくてはいけない状況になりました。
病院に連れて行った場合、ずっと付き添っている必要があるため、グループホームに入ったといえども、そのような場合の通院は、家族がやる必要があります。
ほぼ1日がかりだったので、本当に久しぶりに母と一緒に過ごしました(病院の待合室で・・)が、やはり会話はほとんど通じません。
そこで、今まで引っかかっていた事を母に聞いてみました。
なるほど。やはりそうでしたか。
まあ、薄々は勘づいていたんだけど、とうとうそこまで来たかと。
検査を異常に嫌がる
それでも、本人の気持ちが穏やかならば良いのかと思いましたが、そうでもなさそうです。
認知症が進行するということは記憶が衰えていくというだけではなく、すべての認知機能が衰えていくということです。
驚いたのが、検査を子供のように嫌がることでした。
注射をしようとすると、子供のように暴れます。
心電図の検査でも、パッドをつけるのにひと苦労です。
PCR検査で鼻の奥に綿棒を突っ込みましたが、それはもう阿鼻叫喚でした・・・・
認知症の初期の頃から病院に連れてきたりしてましたが、このような検査の嫌がり方は初めて見ました。
以前、食事を吐いてしまっていた時に胃カメラをやりましたが、今はとてもできないでしょう・・
この2年半、白内障も目薬をもらうだけで検査は全然してませんが、果たして今後、眼科に連れて行ったとしても、まともに検査できるかどうか・・
ここまで来たか・・
母の認知症も最終段階まできた感があります。
認知症の初期は、もの盗られ妄想などもあり、かなり大変でしたが、しばらくすると、症状は落ち着き、普通に話している分には、認知症だとわからないくらいの時もありました。
その後、自立した生活はやはり難しくなってグループホームに入居しましたが、日常会話はできていたし、当然、私のことも認識していて面会に行くと喜んでくれました。
それが、最近は喜んでいる気配もなく・・
まあ、そりゃあ、誰だかわからない人が来てても嬉しくはないでしょうね・・
以前、兄が死んだことを母に伝えるべきかというのを悩んだ記事を書きましたが、おそらく、伝えてもわからないので、そんな心配さえ必要なくなったのかもしれません。
最後に
母が自分の事を認識できなくなったことについては、意外にそんなに寂しい気持ちにはなりませんでした。
以前は面会の後、帰る時も「身体に気をつけてね」とか声をかけてくれることもあり、いくつになっても、たとえ認知症になっても、子供の事は心配なんだなと思いましたが、もう、子供の心配もする必要は無くなったのでしょう。
人は必ず死にます。
自分が死ぬことすらわからずに突然死する人もいれば、不知の病に脅えならば、苦しんで死んでいく人もいるでしょう。
認知機能が徐々に衰えて、何もわからなくなって、死んでいくのは、果たして幸せなのか不幸せなのか。
そのような埒(らち)もあかない事を最近、考えてしまっています。