社会復帰問題

【人はいくらあれば暮らせるのか?】「年収〇〇万円で暮らす」系の本を3冊、紹介します。

人はいくらで暮らせるか

「人はいくらあれば、暮らしていけるのだろうか?」

無職になり貯金も尽きかけている最近、そのような事をよく考えます。

そんな中、「年収〇〇万円で暮らす」系の本が、世の中には結構出回っているようです。

今回、そのような本の中から3冊ほどピックアップして読んでみましたので、感想を述べていきたいと思います。

「年収〇〇万円で暮らす」本の感想

年収200万円でもたのしく暮らせます コロナ恐慌を生き抜く経済学

経済学者としてテレビにもよく出ている森永卓郎氏の著書です。

概要としては「コロナによってこれまでにないような不況が来るのでそれに備えた生活をしましょう」といった内容です。

前半は今後の経済の見通しについて、中盤は投資について、後半は節約術的な豆知識のようなものについて記載されております。(「トカイナカ」と言って都心ではないけど、都心に近い田舎に住むメリットなどについても・・)

正直、「年収200万円でどうやって暮らすのか?」といった事について書いた本ではありません。それを求めると読んで落胆します。

経済学者らしく「今後の経済についての見通し」の記載に力が入っており、「どうやって暮らすか」はおまけ的なものに思えました。

そもそも、筆者が年収200万円で暮らしているはずもなく、農業をやってると言っても「金持ちの道楽感」を感じるし、「車を(安いものだけど)3台所持している」「ライザップに通ってる」云々の記載は、本当にお金がない人にとっては共感し難いものを感じました。

本書はあくまでも経済の本として読むのが正しいです。

年収100万円の豊かな節約生活術


こちらは実際に年収100万円で暮らしている方の本となります。

東大出身という高学歴でありながら、あくせく働くのをやめて、アパート経営の収入だけで暮らしておられます。(現在は売却したらしく、売却した金額を切り崩して生活されているようです。)

内容としては、序盤は「なぜ、このような生活を送るに至ったか」「どうやって1日を過ごしているのか」といった事について記載しておりますが、中盤からは、ほとんど食事(料理)の話題となります。

食事に関しては、安くてもいかに好きなもの・美味しいものを食べるかといった事にこだわっており、そのためのレシピも紹介されています。

「食費を切り詰めたいけど、美味しいものを食べたい」といった方にはかなり参考になるのではないかと思います。(ちなみに1日の食費は500円が目安となっています。)

なお、たまたまこの方は年100万円の不労所得を手に入れた幸運があるからできる生活であり、具体的に「年100万円だとしてもどうやって稼ぐか?」と言った事については書かれていません。

年収90万円で東京ハッピーライフ

 

さあ、ついに年収100万円を切りました(笑)

この本の著者も実際にその年収で暮らしている方の本となります。

こちらは全く働いていないのではなく、月に7万円から8万円稼げれば十分だということから逆算して週2日ほど介護の仕事、たまにライターのバイトをしているようです。

内容としては、先ほど紹介した「年収100万円の豊かな節約生活術」と同様に「食費をどうやって切り詰めるか」について、かなりこだわっておられます。

しかし先の本が食事自体にこだわっているのとは対照的で、こちらの方は、普通に粗食を追求することによって食費を減らしています。

あまり凝った料理もしたくなく、食にそれほどこだわりのない人にはこちらの本が参考になるかもしれません。

さらに、本書の特徴として、かなりのページ数をメンタル的なものに費やしております。

「みんなあくせく働く事が普通なのか?」「自分が幸せと思って生きるならばそれで良いのではないか?」といった事について自信の生い立ちや経験をもとに色々と考察されております。

人が低収入で暮らしていけない理由は、経済的な理由の他にも精神的な理由として「人と比べる」「プライドが許さない」「世間体が悪い」というのがあり、そのような事で悩んでいる方には、参考になるかもしれません。

まとめ

以上、3冊の「年収〇〇円で暮らす」系の本を紹介しました。

「年収〇〇円で暮らす」系の本といっても、内容にはかなり差異があり、読まれる方の目的も違うと思うので、まずは買う前に目次をパラパラっと見るのが良いでしょう。

私の現在の心境としては、年収〇〇円で暮らす実体験を欲していたので、森永氏の本の内容はちょっと趣旨が異なりました。(森永氏の本が悪いと言ってる訳ではなく、私に合わなかったというだけです。)

なお個人的に「気持ち」の部分で参考になったのは最後の「年収90万円で東京ハッピーライフ」ですね。

自分自身、会社員として働いていたときは、世間的にもそれなりの金額をもらっておりましたが、その分、自由に過ごせる時間も少なく、心も健康も削り取られていました

また同じ金額(もしくはその倍の金額)をもらったとしても、同じ生活はしたくありません。

社会復帰を模索している現状、収入と生活のバランスについて、どのような落とし所を目指すか、なかなか悩ましいところです。

「人はいくらあれば、暮らしていけるのだろうか?」

どの程度の生活水準を目指すかによってだいぶ異なると思いますが、紹介した本が、多少なりともご参考になれば幸いです。