「親が認知症になって性格も変わってしまって、言ってる事もやっている事もおかしい・・・」
「こんな親と一体どうやって接すれば良いのかわからない・・・」
親が認知症になり、人が変わったようになってしまったら誰でも戸惑います。
どうすれば良いかわからず、ネットの情報や本をあさるように調べる事でしょう。
私も時間がある時は、ずっと検索しっぱなしで、認知症関連の本も10冊近く買いました。
検索して得られた情報や専門家が書いた本には「認知症とはどういうものか」「認知症の人とはどのように接するべきか」といった、まさに自分が求めていた回答が書かれていました。
当初、私もそのような「認知症マニュアル」をもとに親に接しようとしました。
でも本当にそのような接し方で良いのでしょうか?
もくじ
本に書かれているのは「標準的」な方法
以下の記事にも書きましたが、物盗られ妄想の場合、決して相手の言う事 (お前にお金を盗られた等)を頭っから否定してはいけないと言われます。
「おかしいね。一緒に探そうね」などと行って寄り添うようにと・・
私も当初はそのような「マニュアル通り」に行動しました。
しかし、私自身も、「無くなったお金」がどこにあるか知らないし(母自身がどっかにしまったので・・)、探して見つからないと母の怒りは増すばかりです。
そもそも母にとっては「盗んだ本人が白々しくそんなことを言ってる」事自体が腹立たしいのです。
結局、マニュアル通りの方法では、私にも母にとって全く良い事がありませんでした。
本に書かれていることはきっといろんな心理学的な知見から見出されたので、それはそれで「標準的」には正しいのだと思います。
ただ、その「標準的」な対応方法が自分と自分の親にとってベストな方法かどうかはわかりません。
普通の人でも笑ったり怒ったりするツボが異なり「この人にこれを言ったら怒る」といった事があるように、認知症になったからと言って、いきなり性格が「認知症の人」に平均化するわけではないのです。
ネットや本の情報は参考にしつつ、あくまでも親の性格・自分と親との関係性に基づいて接するべきです。
私の母のケース
私の母の物盗られ妄想のケースで試行錯誤の末に私がとった行動は、以下の2つでした。
- 「自分でどっかにしまって、わからなくなったんじゃない?」と正直に言う。
- 全く別の話題に変える。
❶の方法は、自分が絶対に正しいと思っている母は激しく怒りましたが、メリットは、我慢せずに本当の事を言った事によって、こちらの精神状態は余裕が出る事です。
介護は長く続くので、介護する側があまり我慢を強いられるような状態は良くありません。
文句の一つもたまには言ってやってもいいのではないのでしょうか?
❷の方法は、いつも成功するとは限りませんでしたが、半分くらいの確率で成功したような気がします。
お互い嫌な思いにならなくて済むので、この方法が一番良かったと思います。
なお、以上の2つは私と私の母という特別な場合の例なので万人に通用するかどうかはわかりません。
よってこの方法でうまくいかないと行った苦情は受け付けません(笑)
あくまでも「あなた」と「あなたの親」との関係性に基づいて接し方を模索してください。
まとめ
以上、認知症の親との接し方について私の経験に基づいて考えを書きました。
あなたの親は、認知症になったとしても、1つの個性を持った1人の人間です。
多くの情報を収集する事は否定しませんが、最終的には、1人の人間・・「自分の親として」接する事が大事です。
そのような接し方は、医者や介護士に求めるには無理があり、家族だからこそできる事なので・・