認知症の早期発見・・「予兆を見逃さないようにするにはどうすればいいのか」といった話はよく聞き間ますが・・
そもそも何故、人は認知症になるのでしょうか?
よく睡眠時間が短いと認知症になりやすいと言います。
私の母は障害がある兄の世話をしていて眠れない日が多かったため、非常に納得いくのですが、万人にとってそうなのでしょうか?
そもそも睡眠時間が短いと認知症になるという根拠はあるのでしょうか?
そう思って、認知症になるメカニズムなどをちょっと調べてみました。
もくじ
認知症と睡眠時間とアミロイドβ
認知症と睡眠時間について調べていると「アミロイドβ」という単語を目にします。
この「アミロイドβ」は脳にたまるゴミのようなもので、寝てる時にゴミ掃除されるけど、睡眠時間が短いとゴミ掃除されきれずに、蓄積していくようです。
そして、これが数十年も蓄積していくと、脳の機能が低下していって認知症を発症するとか・・・
これは、アミロイドβ仮説というものらしく、以下のような仕組みとなってます。
- アミロイドβが蓄積する。
- 神経細胞内のタウがリン酸化(リン酸化タウ)して神経繊維がねじれる。
- 神経細胞が萎縮する。
- 認知症になる。
現在では最も有力な仮説のようで、この仮説を元にこのアミロイドβの蓄積を阻害するような薬の臨床試験が世界中で行われているようですが・・
どうも良い成果が出ていないようです。
たとえアミロイドβを減らす事は出来ても、認知症の進行を抑制するような効果が得られていません。
最近(2019年)では、アデュカヌマブという物質がアミロイドβを減らすことができる事(このこと自体は研究結果として示されている)から、アルツハイマー認知症になる事を予防できるであろうとすごい期待されていた研究が、結局、効果を示す事ができなくて中止となりました。
※余談ですが、エーザイはこの事で株価が下がったそうな・・・
だとすると、このアミロイドβ仮説自体、どうなのよ・・睡眠時間との関連はどうなのよ・・と思ってしまいます。
最近の研究では?
このように、アミロイドβ仮説に基づいた認知症薬の開発が上手くいっておらず、本当に正しいのかよ?という意見もあるようです。
そもそも上記で記載したアミロイドβ仮説の「アミロイド蓄積」→「タウがリン酸化」についてもその機構がわかっている訳ではなく、本当かよ・・っていうのもあります。
「アミロイド溜まってなくても、タウがリン酸化することもあるよね・・」
という可能性も言及されているようです。
また、最近では理化学研究所の2019年6月4日のプレスリリースにて、CAPONというタンパク質がタウのリン酸化(神経のねじれ)に関係するといった研究がマウスの実験で示されており、このCAPONの生成を抑制できれば認知症の進行を止められるのではといった期待がされています。
ただ、まだCAPONが影響するというマウス実験の段階なので、CAPON自体を抑制する方法、そして人による臨床実験までは、先が長い気がします。
まとめ
結局、現状では、なぜ認知症になるのかといった確定的な事もわからず、また根本治療できる薬もありません。
よって、将来、自分が認知症に「なる/ならない」はわかないし、どうすればならずに済むのかといった事も「なんとなくの経験則」でしかわからないのかなと思います。
「認知症の予防」としてネットで書かれている事といえば大体以下のような事です。
- 適度に運動する。
- 食生活に気をつける。
- 睡眠をよく取る。
- 人とコミュニケーションをよく取る。
だけど、これって認知症っていうよりも普通に健康にいい事じゃん・・と思います。
根本的な原因も治療法もわからない以上、生活習慣病と同じで、可能な限り健康に過ごすしかないという事ですね・・
いろんな文献やネットの情報を見ている限り、認知症の根本原因・予防・治療は、おそらく、私の母が生きているうちには、無理かなと思います。
私の母と違って独身の私は将来、認知症になっても世話をしてくれる人がいないので、自分が老人になる頃には、原因が解明されて画期的な治療薬ができてることを祈るばかりです。