仕事

【ハイデマンドとローコントロール】メンタルになる原因は残業時間だけではない。

デマンドとコントロール

元同僚から聞いたのですが、私が辞めた会社も今年度から「働き方改革」を推進しているらしく、かなり残業時間をセーブされているようです。

確かに残業が多いのは、身体的にも非常にきついので、良い事だと思います。

ただ、自分がメンタルになった経験からすると、仕事のストレスの原因は残業時間の多さだけではないよね・・って思います。

余談ですが、2015年に電通で新人の女子社員が自殺した事件がありました。

この時、自殺した社員は残業時間が1月105時間を超過していたなどと報道されていました。

どこかのアホな人が「たった105時間で?」みたいな事を言って炎上していた気がしますが、バリバリ社畜だった私からすると残業時間だけを考えれば、「たった105時間」という気持ちはわからなくもありませんでした。

(睡眠時間2時間程度とか言ってたので、105時間という時間自体も相当怪しい・・少なく申告してたんじゃないの?・・と思いますが・・)

もちろん、感覚が麻痺していた時に思って事なので、今なら100時間とか相当、頭おかしいと思いますが・・

ここではメンタルになる主な要因として知られるデマンドコントロールについて書いていきます。(日本語でこの2つの言葉でググると電力供給の話が引っかかりますが、電力供給の話ではありません・・・)

デマンドとコントロール

Robert Karasekというアメリカの社会学者が1979年に提唱した仕事要求度ーコントロールモデル(Job Demand Control Model)というものがあります。

このモデルによると、仕事のストレスが高くなるのは、仕事の要求が高い(ハイデマンド)状態とコントロールが低い(ローコントロール)状態とされてます。

ハイデマンド

仕事自体の負荷が高いという事で、例えば以下のような事です。

  • 仕事量が多い。
  • 期限が近い。納期が短い。
  • 仕事内容が自分にとって難しい。
  • 上司・客先などとの対人関係が面倒臭い。

ローコントロール

仕事の裁量度が低いということです。

自分で作業が決められないで、自分がやるべきと思っている事ができないような状態です。

このモデルでは仕事のストレス・モチベーションなどはデマンド・コントロールのバランスによって以下のようになるとされております。

(1)ローデマンド・ローコントロール

仕事の負荷は低く、裁量権もない状態です。

それほどストレスはないけど、受け身で仕事をやっているような状態なので、仕事に対するモチベーションもありません。

例えると、上に言われるがままに、慣れきった作業をひたすらしているような状態で、定時のチャイムが待ち遠しいような状態になります。

(2)ローデマンド・ハイコントロール

仕事の負荷は低いけど、裁量権はある状態です。

ストレスは一番少なくて、この状態が理想のようにも見えますが、「成長」という観点からすると、あまり良くない状態です。

究極は窓際族のように全く仕事が与えられず好きにしていい状態になるのかな・・?

(3)ハイデマンド・ハイコントロール

仕事の負荷・要求も高いけど、自分で裁量権もある状態です。

確かに忙しくて大変だけど、自分に裁量権があるので、モチベーションは高いです。また自らが成長もできる可能性がある。

この状態が理想なのかもしれません。

ただ、個人的な経験から言うと、自分のモチベーションが低い時に、この状態の人が近くに(特に上に)いると最悪です。

本人はモチベーションが高いし自分で裁量権があるから、深夜・土日も馬車馬のように働くのですが、それに付き合わされる方は大変です。(自分が頑張ってるから、周りも頑張れると思っているけど、周りはハイデマンド・ローコントロールになりがち・・)

この状態にある人は、周りの人にも配慮する必要があると思います。

(4)ハイデマンド・ローコントロール

仕事の負荷だけが高くて、裁量権もない状態です。

この状態がストレスが最も多い状態とされてます。

実体験からしても、自分がメンタルになった状態(もしくは強いストレスを感じた時)は明らかに「ハイデマンド・ローコントロール」だったと思います。

一応、仕事の負荷は高く責任もある状態にあるにも関わらず・・

プロジェクトのメンバーの選定に関しては裁量権がなく、優秀な人を取られたり、全く仕事ができない人を押し付けられたり・・

現場の仕事で目一杯なのに、状況を報告するための不要な会議のために何時間も時間をとられたり・・

などなどに対するストレスは非常に高かったです。

まとめ

「仕事要求度ーコントロールモデル」は1979年に提唱されたもので、かなり古いものですが、英語で「high demand low control」で検索すると(日本語ではあまり出てこない・・)、最近でも関連した研究が見つかります。

健康や寿命に関連して研究したものもあり、ハイデマンド・ローコントロールの状態は健康を損なう・・などのデータもあるようです。

また「デマンド」「コントロール」に「サポート」という項目を追加したモデルもあります。

つまり、周りからのサポートがあるかどうかもストレス・メンタルにとって重要と言うことです。(自分の経験上、このことも身にしみます。)

仕事への要求が高くて、裁量権もなくて、周りからのサポートもない・・うーん最悪ですね・・

一口に働き方改革と言っても、表面上の残業時間だけでは、わからない事が多いと思うので、総合的に人が病まないような仕組みを考えて欲しいものです。