介護はストレスの連続です。
しかし、それでも(ブラック)企業で仕事をしていた時と比べると「まだまし」と思えることが多くあります。
今でも昔一緒に仕事をしていた人などと連絡を取ることはありますが、「きつい」「会社を辞めたい」などの悲鳴が聞こえてきて、働く意欲を削がれます(笑)
人はなぜ仕事をしていてストレスを感じるのでしょうか?
以前、以下の記事でデマンド(要求)が高くてコントロール(裁量権)が低い状態が最もストレスを感じるようになるということを書きました。
このように仕事でストレスが発生する仕組み・原因を考えるものを職業性ストレスモデルと言い、多くの研究がされています。
本記事では、この職業性ストレスモデルをいくつか紹介し、仕事でストレスを感じる原因について考察していきます。
もくじ
デマンド・コントロールモデル
デマンド・コントロールモデルは先の記事のベースとなったモデルで、デマンド(要求)が高くてコントロール(裁量権)が低い状態になるとストレスを感じると考えます。
ストレスは、「残業が多い」「やることがたくさんある」などのデマンドが高いことだけが原因ではありません。
デマンドが高くても自分の意志でコントロールできていればストレスは少ないのです。
世の成功者の中には、恐ろしく多忙な方も少なくないですが、自分の意志で仕事をコントロールできているため「仕事は楽しい」と口をそろえて言ってます。
一方、責任はあるけど裁量権はない「名ばかり管理職」(私がそうでした・・)のストレスはの高さといったら・・・どれほど高いかわかりますよね?
NIOSH職業性ストレスモデル
このモデルは、簡単に言うと「仕事でストレスを感じるのは、仕事だけが原因ではない」という考え方のモデルです。
同じ仕事をしていたとしても、その人のストレス耐性や、その人の家庭環境などで感じるストレスはだいぶ変わってきます。
仕事の疲れも家族の顔を見ると吹っ飛ぶかもしれません。(逆に家族がストレスの原因になることもあるかもしれません・・)
私の場合、急に親が認知症になって介護が大変になったときは、仕事のストレスも上昇しました。
努力‐報酬不均衡モデル
要するに・・
となると、やっぱりストレスがたまるよね・・というモデルです。
大変な仕事をしたからには、それなりの「見返り」が欲しいと思うのは当然でしょう。
大変な仕事をしているのに評価されない・・それはやはりストレスがたまります。
デマンド・リソースモデル
デマンド・コントロールモデルを拡張してさらにNIOSH職業性ストレスモデルと努力‐報酬不均衡モデルを内包したようなモデルです。
デマンド・コントロールモデルでは、デマンドに対抗する概念としてコントロールを考えました。
それに対して、デマンド・リソースモデルでは、デマンドに対抗する概念としてリソース(資源)を考えます。
リソースは、コントロール(裁量権)、報酬、個人のメンタル、家庭環境、他の人のサポートなどさまざまです。
デマンドに対抗するためのリソースが多ければ多いほどストレスに対して強くなりますが、逆にリソースが少ないとストレスに対応できなくなります。
まとめ
最後に紹介したデマンドーリソースモデルの考え方は重要で、仕事のストレスに対抗するためには、いかにリソース(資源)を増やせるかが鍵になります。
なお、これらのストレスモデルは、個人で「どうこうしよう」と言うよりも管理者側が職場の環境を整えるためにどうするかと言う観点で考えられたものです。
なので、個人では、どうしようもできないこともありますが(報酬とか・・)、中には個人でも改善できることもあるかと思います。(特に仕事以外の環境に関することなど・・)