頻繁に面会が出来ていた頃、母がグループホームについて漏らす一番の不満は食事に関する事でした。
「本当にご飯がこれっぽっちしかない・・」
「もっと美味しいものが食べたい・・・」
本記事では、グループホームに入居後の母の食事事情について、振り返って行きたいと思います。
もくじ
自由とは食べたいものを食べることである。
私は要介護、認知症になってしまった人の自由について考える事がしばしばあります。
グループホームに入れば、歩く身体能力があっても好きな所に行く自由もなくなり、お金をいくら持っていても好きな買い物をする自由もなくなります。
そして、何よりも好きな物を食べる自由がなくなります。
本サイトでも、好きなものを食べる自由とリスクのバランスについて、いくつか記事を書いています。
好きなものを食べる事が出来ないって本当に辛いですよね・・・
食事に対する不満は、どのような不満か?
母の食事に対する不満は大きく分けて以下の3点です。
食事の量への不満
まずは、食事の量が少ない事です。
確かに見た目は腹八分目と言えるでしょう・・
特に、ご飯の量が少ないとぼやいていました。
もちろん、おかわりをする事などは、出来ません・・・
食事の質への不満
次に、食事の質に関する不満です。
和食や洋食などバラエティはありますが、味付けは、良く言えば優しい味、悪く言えば味気ないです。(食べさせてもらった実感としては、病院食よりは、マシですが・・)
まあ、健康には良さそうです。。
当たり前ですが、ラーメンとか餃子とか寿司とかの類は出てきません・・
そして、ある時から母の食事は、刻み食になりました。
母は、食道裂孔ヘルニアを患っており、嘔吐、喉への詰まらせなどの危険性があるからです。
ただでさえ味気ない食事がさらに味気なく・・・
いわゆるメインのおかず(魚、肉類)が刻まれてしまっているため、魚や肉の実体が分かりづらく「他の人のものと違う!なんで私だけ違うものが・・」と見間違えて、怒っていた事がありました。
なお、刻み食になったきっかけは、食道裂孔ヘルニアが悪化したからではなく、グループホームの主治医が変わった事です。
食道裂孔ヘルニアを患った当初は、一時的に刻み食になっていた時期はありましたが、嘔吐などが改善してからは、普通食に戻っていました。
それを新しい医者の方針で「念の為」元の刻み食に戻したのです・・
間食の制限に対する不満
間食も制限されています。
職員がいない所で間食がダメな理由は、職員の目の届かない所で、食べ物を詰まらせる危険や、食べ過ぎる危険があるからです。
おやつを差し入れする事は可能ですが、差し入れしたものは、職員が管理し、決まった時間に決まった量しか食べさせてもらえません。
母は元々、チョコレートなどを好きな時につまんで食べたりする人だったので、好きな時に好きな物を食べられないのは、辛いと思います。
面会・外出できれば・・
面会・外出が出来ていたときは、母の不満を多少なりとも軽減することが出来ていました。
母の部屋で面会している時と母をグループホームの外に連れ出した時だけ、母は食事に関して自由になれたのです。
面会時におやつ
面会した時におやつを食べさせるのは、許可されていました。
様々なお菓子を持っていくので、母もそれを楽しみにしていました。
帰り際に、余ったおやつを職員に預けなくてはならなく、そこで「何故、預けるのか?部屋に置いていけ」と毎回一悶着がありましたが、それも今となってはいい思い出です。
実は、ごく少量を母の部屋に隠して置いていくような事もしてました。(職員の方に見つかって後で電話で注意されたりもしましたが・・)
外出時に外食
以前は、外出する事が出来たので、その時は、好きな物を食べさせてあげる事が出来ました。
レストランに入って好きな物を頼んだり、伯母が料理が得意なので、伯母の家に行って食事を食べさせたりすると、「美味しい美味しい・・」と言って食べていました。
まとめ
以上、グループホームに入っている母の食事事情について振り返ってみました。
母は元々、社交的ではないので、グループホームに入って、他の入居者との交流を楽しんだりする事もなく、またテレビを見て楽しむような事もしていません。
そんな母にとっては、食べる事が唯一の娯楽なのだと思います。
そんな唯一の娯楽である食事なので、もう少し柔軟に対応できないものかと思いますが、私が職員だったりグループホームを経営する立場であれば、可能な限りリスクは取りたくないので、グループホーム側の気持ちはわかります・・
ただ、上に挙げたこの記事で書いた事の繰り返しになりますが、仮に「何かあっても文句を言わないから普通の食事にしてください」という誓約書でも書いてOKとなるらば、好きな物を食べさせてあげたいと言う気持ちはあります。