グループホームにいる母の終末医療について、定期的に意思確認書の記載を求められます。
本来は、本人が記載するものですが、母が認知症で判断が出来ないため息子の私が記載しています。
毎回、苦悩していますが、コロナ禍で、人工呼吸器が「足りる」「足りない」といった話題があり、なおさらこの件について考えさせられる事になりました。
本記事では「意思確認書とはどういうものか」「私自身がどのように判断しているか」について記載します。
もくじ
意思確認書
意思確認書(意向確認書とも言います)は、命に関わるような病気を患った場合、緊急の治療が必要になった場合など、どのような治療方針としたいかをあらかじめ記載しておくものです。
例としては、以下のような事について回答を記載します。(医療機関・施設のフォーマットによって異なります。)
- 病気の場合に積極的に検査・治療(手術、抗癌剤など)をするか?
- 食事が自力で出来なくなった時に”胃ろう”にするか?
- 心臓が止まった時に心肺蘇生 、AEDの使用をするか?
- 自力呼吸が出来なくなった時に人工呼吸器を使用するか?
自分自身の事ですら悩ましい質問なのに、本人以外がこのような事に回答するってどうなのかと毎回苦悩します。
私の回答例とその理由
以下、私の回答例とその理由です。(もちろんこの選択肢が正しいわけでは無いです。)
なお、用意されたフォーマットに「はい」「いいえ」の選択肢しかない場合がありますが、「そんなのケースバイケースだろ!」と思う事もあり、そのような場合は文章でその旨を勝手に追記しています。
積極的に検査・治療するか?
何かしらの病気の症状が出た場合、積極的に検査・治療をするか?
これについても「はい」「いいえ」で単純に答えられないので私は「検査は積極的に行い、治療はその検査結果から判断する」と回答しています。
検査自体が苦痛を伴う場合があり、その苦痛を与えることすら忍びないといった場合もあるかと思いますが、その病気が薬などで簡単に治療できるにも関わらず命を失う事は避けたいです。
癌治療がやはり悩みどころで、手術・抗癌剤・放射線治療になったら本人が被る苦痛は相当なものです。
その苦痛を80半ばを超えた母に与えたところで、どれくらい延命できるのか・・・
末期ならば、間違いなく積極的な治療をしない選択肢かと思いますが、では初期の場合はどうするか・・など難しい問題だと思うので「その状態になってから判断する」としています。
”胃ろう”にするか?
現在、食べる事だけが唯一の楽しみとなった母に対してただ栄養を取るだけの”胃ろう”を施すか?
高齢者が”胃ろう”にしたら、そこから普通の状態に回復する事はまず不可能かと思います。
それでも生きていたいか、生きていてほしいか・・・
今の所、これについては「いいえ」で回答しています。
心肺蘇生・AED使用をするか?
これについては「はい」で回答しています。
心肺蘇生をすれば、回復する可能性があるならば、やはりそれは実施していただきたいと。。
ただし、これもケースバイケースです。
自分が想定しているのは、あくまでも日常の生活をしていてある時いきなり心臓が止まったとかいった場合です。
病院で回復見込みの無い病気で苦しんでいる場合に実施するべきかどうかは悩ましい問題です。
人工呼吸器を使用するか?
コロナ禍で
「人工呼吸器が足りない!このままでは若者が優先で高齢者には使用できずに見殺しにしなくてはいけなくなるかも!!」
みたいな事がテレビで報道されていました。
最初にこの件について悩んだ時に、、
- 高齢者は人工呼吸器をつけても助かる見込みがほとんどない。
- 苦痛が長引くだけ。
- 一度つけたら外すのが難しい。
- 万が一助かっても重大な後遺症が残る。
- ICUなのでお金も1日、1日とすごいかかる・・
と聞いたので、これは「使用しない一択」だと思っていました。
しかも、人工呼吸器についてネットを見ると一部勘違いしている人がいるようですが、
人工呼吸器と酸素マスクって違いますから!!
カマみたいな物体を無理やり口からか気管を切開するかして入れるものなので、相当な苦痛を伴うと思います。
それでも回復するならば、使うべきだと思いますが、高齢者に使う選択肢ってあるの?回復見込みは?
その後、色々、調べたのですが、確かに回復率はあまりよくなさそうですが、ほぼ0%かというと、そこまで低くはなさそうです。
「高齢者 人工呼吸器」で検索してヒットした以下のサイトを参考にさせていただきました。
少しでも回復の可能性があるのに、みすみす何もせずに死なせてしまうのか・・・
改めて悩みましたが、やはり、その状況にならないとわからんと思いました。
どういった状況で人工呼吸器が必要になるかもわからないし、単純に「はい」「いいえ」で簡単に答えられません。
よって、いつもの通り、一応「いいえ」を選択しつつ、今回は「ただし、その時の状況(回復可能性など)によって再考します」と付け加えておきました。
最後に
以上、「意思確認書とはどういうものか?」そして「私自身の選択」について記載しました。
ただ、結局、いつも思うのは、
ということです。
いつ親が認知症になるか、もしくは急に倒れて本人の意思を確認できなくなるかわかりません。
あらかじめ、こんな事聞いたら「何を縁起が悪い事を!」と言って怒られるかもしれませんが(うちの親とかおそらくそうだったと思います。)、今現在、両親が高齢な方は冷静に話し合っておいた方が良いと思います。